同じことばかり言いたくないが、 何だ? この決めつけた邦題は。 。 アラフィー向けの恋愛指南映画ではまったくない。 "ピッパ・リーの私生活" がわかりやすいとも思わないが、 少なくとも邦題よりは興味をそそる。 しかもライフは複数形。 こんな邦題のほうがそそられる人ってホントにいるの? センスのない題名はいいかげんやめてくれ。 以上
・・と終わりにするわけにはいかない。 女性映画の正統な系譜にあるような映画で、 監督のレベッカ・ミラーってアーサー・ミラーの娘らしいが、 原作も脚本も彼女で、 渾身の一作ということが窺い知れる。 エントリーが遅くなってしまったので公開は終わってしまったと思うが、 DVDが出たら見てほしい作品だ。 あと数年で50という、 監督と同年代の女性の話だが、 若かりし頃のことから この先のことまでが描かれているわけで、 若い人が見ても年配の人が見ても、 それぞれに感じるところはあるのではないだろうか。 年齢限定の映画ではないし、 ましてや主人公は年のことなどで悩んでいるわけではない。
さらに種明かしをするとキアヌ・リーヴスと接近するのはかなり後半で、 35歳の青年役をやっているキアヌのほうが、 アラフィーのピッパ・リーを演じるロビン・ライト・ペンより実年齢は二つほど上なのだ。 (ともに40いくつか)
登場人物がたくさん出入りすることもあって、 最初は関係がよくわからない。 ピッパが世話を焼いているのはお父さんかなと思っていたら、 30歳年上の夫ということだった。 彼女が20代の頃、 作家として成功していた50代の男と結婚。 年の離れた夫婦でありながら30年は連れ添ったことになる。 だからといって安泰ではなく離婚騒動も起きるのだが、 二人の間には息子と娘がいて、 ピッパは娘に毛嫌いされている。
話は遡ってピッパが幼少の頃、 そして十代へと成長する頃、 彼女もまた母を嫌っていた。 クスリで独特のテンションを作りあげている母に我慢がならなかった。 18で家を飛び出し二度と戻ることはなかったが、 ほどなく母が死んでからは今一度、 母と穏やかな午後を過ごしたかったなどと悔やんでいる。
作家の夫とはパーティーで出会い、 いくつになっても男はスケベであり、 作家はこのアンニュイな娘をたらし込む。 娘は守られていると感じ、 必要とされていることは自分の目的意識のなさを消してくれるようにも思えた。
現在に戻る。 朝起きるとキッチンが散らかされている。 誰かが夜中に冷蔵庫をあさった様子。 夫は否定する。 ビデオカメラを仕掛けると、 写っているのは何と・・
隣の家の息子が、 何か暗い過去を背負って帰ってくる。 上半身いっぱいにキリストの刺青を彫り、 自分はダメな奴だと言ってコンビニでバイトするこの男に惹かれる。
とまあ抜き出してみれば何のことだかよくわからないが、 あとは本編でどうぞ。 それにしても最近のハリウッドは豪華キャストだ。 一人や二人のスターではもうダメなのかもしれない。 あいつも、 こいつもと引っ張り出してくる。 キャスト相乗効果の法則でもあるのだろうか。 モニカ・ベルッチまで出てる。 最初は厚化粧で誰だかわからなかったが、 ヤバめの役どころ。 また若かりしピッパ役のブレイク・ライヴリーがヌードを披露ということだったが、 爺さんの影に隠れて見えない^ ^
やがて新しい旅立ちを迎えるピッパだが、 先のことはわからない。 そこに自由はあるのだろうか。 未来に対する不安、 そして ときめきは、 もしかしたら十代の頃と何も変わってないのではないか・・ そんなところでカントリー曲が流れて THE END. 大した結論はないが、 悪くない映画だった。
50歳の恋愛白書 The Private Lives of Pippa Lee (2009) 日本公開2/5〜 公式サイト
監督 レベッカ・ミラー 象のロケット
ロビン・ライト・ペン アラン・アーキン マリア・ベロ モニカ・ベルッチ
ブレイク・ライヴリー ジュリアン・ムーア キアヌ・リーヴス ウィノナ・ライダー
50歳の恋愛白書 [原作] 訳 中野恵津子 powered by G-Tools |
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