2.02.2010

海は今でも青いか 「ザ・ロード」



ピューリッツァー賞受賞の原作を映画化!ということで、 期待されている方も多いだろうに、 いまだに日本公開、 邦題ともに未定。 当ブログでは一足先に見ることができたので、 ささっとレポート^ ^ 上のポスターでタイトルは "La Route" となっているが、 ベネチア映画祭バージョンではこんな感じ。

描かれるのは世界の終わり・・ 非常に静謐な風景。 何が原因でそうなったかは映画では詳しく描かれないが、 恐らくは自然破壊。 地球は荒れ果て、 食べ物もないので人類は食人鬼化している。 そんな世界に小さな息子と旅をする父。 母は10年前、 この子が産まれてすぐにこの世界に見切りをつけ自ら死を選択したが、 父は母に息子を連れて行くことを許さなかった。

灰色の世界の中で時おり鮮やかな映像が出てくるのはすべて回想シーンで、 強がっている父もよく母の夢を見る。

悪い夢を見るのは戦っているからだ いい夢を見るようになったら気をつけろ

そんなセリフを吐く父は、 病に冒されている。 血を吐いてからは長くないと悟るが、 この子のことが気がかり。 たくましく育てようと時には厳しい態度を見せながら、 こんな世界にあっても いつも心に火を絶やさず、 いい人間でいるのだと教える。

南へ、 南へ。 呪文のようにそう唱えながら たどり着いた海は、 記憶にあったような青い海ではなかった。 その海岸で父は死期が来たと知る。 弾丸も残り少なくなった銃を息子に手渡して父は・・

あまりにも淡々としていて、 メッセージはもちろん伝わるが、 ある種のポエムのような後味を残して終わる。 タルコフスキーを彷彿とさせるような、 まるで違うような。 モーテンセンはここでも全裸を披露している^ ^ 息子役のスミット=マクフィーはどことなくセロンに似ていて本当の子供のようで、 ちょうどうちの息子と同い年だし、 これは終盤 切なさが込み上げるかと思ったが、 そうでもなかった。 なぜだろうか。 原作ありきの映画の限界だろうか。

(追記) いつのまにか邦題は原題のままで公開決定していた。




ザ・ロード The Road (2009) 日本公開6/26 公式サイト 象のロケット 
監督 ジョン・ヒルコート 原作 コーマック・マッカーシー 
ヴィゴ・モーテンセン コディ・スミット=マクフィー ロバート・デュヴァル 
ガイ・ピアース モリー・パーカー シャーリーズ・セロン 
ザ・ロード [DVD][DVD]

フローズン・リバー [DVD] クレイジー・ハート [DVD] 小さな命が呼ぶとき [DVD] ザ・ウォーカー [DVD] トラブル・イン・ハリウッド スペシャル・エディション [DVD]

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ザ・ロードザ・ロード [原作]
黒原敏行 訳

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