昨日はラグビーだったが、 何の因果か今日はアメフト。 ホームレスの少年がNFLにドラフト指名されるまでの物語で、 実話だそうだ。 それほど古い話ではなく、 場所はミシシッピ。 いかにもな南部ではないが、 やはり南部的なスピリットが根底に流れる作品と言える。
サンドラ・ブロックが演じるのは、 ホームレスの黒人少年を家族として迎え入れ、 二人の実子とともに学校へやり、 才能の開花に尽力する慈愛あふれる女性なのだが、 そこには何の欺瞞も、 裕福な家庭の自己満足もなく、 そのような勘ぐりをする人たちを なぎ倒すパワフルさに満ちている。 元チアリーダーで今も派手めの化粧、 たむろするギャングをもろともしない。 それもそのはず全米ライフル協会会員で共和党員、 そして敬虔なクリスチャンなのだ^ ^ エンディングには本人のスナップも挿入されているが、 サンドラほど美人ではないにせよ、 いま見たキャラの人なんだなという感じ。
ビッグ・マイケルと呼ばれる少年は、 見るからにスポーツに向いてそうな体格だったが、 決してアグレッシブな性格ではなく、 保護本能98パーセンタイル。 そんな指標があるなんて初めて知ったが、 大切な者を守るときに能力を最大化するのだ。 だからクォーターバックではなく、 レフトタックル。 QBのブラインドサイド(死角)をガードする役が天職だった。
高校への転入時は知恵遅れかと思われたが、 識字に問題があっただけで頭が悪いわけではなかった。 卒業時には奨学金取得の基準成績も見事クリアする。 もちろん、 そのために家庭教師をつけてもらったり、 さまざまな回りのサポートがあるわけだが、 環境が人を育てるのだということをあらためて思い知らされる。 家庭教師役がキャシー・ベイツで、 ハッチャキ母さんから "初めて見た" と言われる唯一の民主党員。
肝っ玉母さんがこのような慈善事業を始めた際も、 実の娘や息子は不平を言うどころか、 むしろ積極的にこの事業に関与し、 学校で友達にからかわれようが もろともせず。 教育が行き届いているというか根性が座っているというのか、 話はサスペンス物のように紆余曲折しない。 元バスケットボール・プレイヤーの夫もまさに良き理解者。 南部だからこそよけいに奇想天外なのだろうと思われる彼らの行為も、 美談というよりは心からのハグ、 それだけで突き進める人を育てる環境もまた南部なのだろう。
ハグというのは抱きしめることだが、 エッチなニュアンスのないこの '抱き' に対応する日本語が見当たらないのは残念。 それでも、 何とも愛おしくて抱きしめたい瞬間というのはあるのだと思う。 そんな気持ちを確認したい人には素敵な鑑賞のできる映画だ。 2月下旬ロードショー。 ちなみに本を読んでもらったことのなかった少年に読んであげるのは "かいじゅうたちのいるところ"。
しあわせの隠れ場所 The Blind Side (2009) 2/27〜 公式サイト&予告
監督 ジョン・リー・ハンコック 原作 マイケル・ルイス 象のロケット
サンドラ・ブロック ティム・マッグロウ クィントン・アーロン
キャシー・ベイツ ジェイ・ヘッド リリー・コリンズ
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