
同名のホラー映画があったのだが、 そのときにこの不気味な言葉を覚えた。 チェンジリング・・ "取替え子" などと訳されているようだが、 子供が行方不明になったあと帰ってくる、 だが、 それは別の生き物。 子供を持つ身としては、 そんな言葉が存在すること自体恐ろしい。 日本語では "神隠し" なんかがニュアンス的には近いのかな。
時代は1920年代末から1930年代で、 冒頭には "実話" と銘打たれている。 実話に基づく、 ではなく・・
イーストウッド作品は実はあまり好みではないが、 企画力や音楽までやるところは なかなか。 今回もよく見つけてきたなという実話の事件だが、 やや盛り込みすぎで、 子供を失った母の悲しみ、 警察の腐敗、 社会運動と宗教、 死刑問題と、 ともすればポイントが分散する。 アンジーは非常に論理的な演技をしている。 たとえば口に当てる手、 帽子の影の視線・・
警察や医者の横暴さにはムカムカさせられるが、 そこで炸裂するのがこのセリフ 'Fuck you and the horse you rode in on!' だが、 なぜか 'バカヤロー!
2時間20分のサスペンス持続はさすがだが、 結局は被害者を特定する技術のなかった時代ゆえの悲劇、 ということにもなってしまう。 劇中にも出てくるアカデミー賞はノミネートだけで終わってしまったようだが、 印象的なのは、 30年代にもこれだけ女性の社会進出はあったのだと認識を新たにする、 この母の電話会社での勤務ぶり。 そもそも彼女は あの時代では珍しかったシングルマザーなのだが、 ローラースケートを履いて職場を忙しく動き回るのだ。 ジョリーの帽子姿やクラシックなメイクも素敵。


チェンジリング CHANGELING (2008) 日本公開2009.2.20〜
監督・音楽 クリント・イーストウッド 公式サイト&トレーラー
アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコビッチ マイケル・ケリー
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