3.25.2009
無色の氷 「ホルテンさんのはじめての冒険」
この映画については多くを語るまい。 まさに、 そんな映画だ。 「キッチン・ストーリー」 は年配の人にもお薦めできたのだが、 これを薦めたなら本物のオールドエイジの人には見透かされてしまいそうな気がする。 監督のベント・ハーメルは50過ぎの人だが、 なぜかアラセブンあたりをみつめてしまう。 "人生に手遅れはない" ・・そう思いたいが、 リアル還暦には苦笑いされて終わりそうなセリフでもある。 それでも、 いい映画だと思う。 独特のオフビートな感覚は良くも悪くも洗練されてしまったが。
当初それほど見たいと思わなかったのは、 まず邦題のせいだろう。 邦題を作った側の、 どうだ上手いだろ、 と自信ありげな感じに拒否反応が出る。 「酔いどれ詩人になるまえに」 と同じく。 'はじめて' 'まえに' が ひらがなである点もダメ。 この 'ひらき方' は違うのだ。
宣伝文句に "ハートウォーミングな" が使われてしまうことも、 宣伝ビジュアルに本編にはない赤ベタ加工が施されていることも、 見る気を萎えさせた原因だったようだ。 こんな赤バックのシーンは存在しないし、 ハートウォーミングな映画などではない。 しいて言うなら、 氷でハートを暖めるような映画だ^ ^ にもかかわらず宣伝は功を奏して "好評につき4/17まで上映延長" とのことなので、 見るなら一旦 頭を、 この夜の雪景色のように無色にしてからのご鑑賞を提案したい。
ホルテンさんのはじめての冒険 O'Horten (2007ノルウェー)
2/21〜4/17 公式サイト&予告編
監督 ベント・ハーメル
ボード・オーヴェ ギタ・ナービュ エスペン・ションバルグ
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