
トニー賞、ピュリッツァー賞を受賞した戯曲の映画化らしい。 しかも原作者自らがメガホンを握っている。 ふむふむというキャスティングで当然見ごたえはある。 911以降の世界に渦巻く "疑念" がテーマとのことだが、 タイミングが遅かったのだろう。 すでに世界は別のテーマを必要としているかに思える。
ケネディ大統領が暗殺された時代のカトリックの学校、 黒人の転入生と彼を気にかける進歩的な司祭。 尼僧でもある厳格な校長は、 司祭が持ち込んだ新しい空気が気に入らなかった。 司祭は性的な意味で少年を気にかけているのではないかとの疑いを持かけ、 彼の排除を画策する。
ホフマンの教会での説教、 あるいは会話には崇高かつ人間的な闊達さがあふれ、 こんな人が本当にいたのかもしれないというリアリティを感じる。 対するストリープの いびつな支配者ぶりは、 どこか戯画化されている気もするが、 彼女も彼女なりの信念で行動する。 他者に対する疑念の一部でも、 自分自身に向けることができればよかったのかもしれない。 ドラスティックな展開はないが宗教色も濃くなく、 各人の役者ぶりを楽しむにはいい作品だろう。


ダウト あるカトリック学校で Doubt (2008) 3/7〜
原作・監督 ジョン・パトリック・シャンリー 公式サイト&トレーラー
メリル・ストリープ フィリップ・シーモア・ホフマン エイミー・アダムス
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