5.10.2008

家族で最後に行ったレストラン 「港のロキシー」



あがた森魚はその筋(?)では有名なシンガーソングライターだと聞いてもほとんど名前くらいしか知らない。 それでもどことなく不思議なタイトルの映画を何本か監督したことは知っていた。 だがあまり見る機会もなく、 ようやく見ることができた。

ロキシーというのは家族で最後に行った街のレストランの名前のようだ。 時代錯誤な雰囲気の8mm映像にバンドネオンの音、 うーん、 まあ想像していた路線だが、 でも意外に上手い。 ローカルなDJを流しながらの函館の夏、 ローラースケーターたち。 弾き語りだけじゃなくてスクラッチサウンドも出てくるしケータイもあるけど、 それでもこれが1999年の作品だという気はまるでしない。

物語は 「恐るべき子供たち」 をモチーフにしたとのことだが、 なぜに今? 殴り合って芽生える友情というのも今どきあるのだろうか。 。 それでも何かしなやかな精神性が貫かれていることを感じ、 セリフ回しも妙にハキハキとして昭和初期の映画のようなところは好感。

そんなワケわからなさのなかに、 ときおり出現するあまりに映画的なカット・・ 語弊を承知で言えば遅れてきたヌーベルバーグ。 どう評価していいかわからない作品ではあるが、 通りを1本間違えたらそこにはレトロで眩しい風景が広がっていた、 みたいな。

けっして暗い映画じゃないので、 興味があったらぜひ^ ^

港のロキシー (1999日本)
監督 あがた森魚 
岡和則 藤丸美哉 川原孝俊 小林克也 町田康 若松孝二 

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