11.23.2010

そこが [ネック]^ ^



しんしんと雨が降る日はホラーに誘われる。 自分としたことが、 しばらくホラー 見てない。 。 そう言えば邦画も遠ざかってるな・・ ということで取り出したる この一枚。 (発売・レンタルは2月予定) まあ、 わかってはいたが見事に期待を裏切ってくれて、 でもある意味では期待以上だったかもしれない。

裏切ってくれた部分は怖くないということ、 出てくるモノがどこかで見たことのあるものということ。 中盤までは悪くない気もしたが、 後半のドタバタは幼稚すぎる。 期待以上という部分は、 それでも じゅうぶんに考えられた企画であると言うこと。 企画力の弱い昨今の日本映画のなかでは、 意外に考えられているようす。 結果、 それなりにヒットしたらしいし、 舞台版などへも展開されたもよう。

首だけ出しているビジュアルはステレオタイプであるものの、 いきなり持ってこられるとインパクトは十分。 マッドサイエンティスト味も少し入れ、 人形系のホラーへ振っていくあたりは予想外。 ホラーコメディという路線もトレンドに乗っている。 美術はキレイだし、 演出は可もなく不可もなく。 相武紗季がやたら壊れた "のだめ" のように作られているのはイージーすぎるが、 キャスティング自体も悪くない。

とまあ ここまで書いて、 書きすぎたかなと微妙に虚しくなる。 それはつまり全部が中途半端、 '振り逃げ' なのだ。 首実験は結論があいまい、 幼なじみがメインなのかと思いきや深読みしすぎだったし、 キャラもギャグも浅すぎる。 しかし商品としてはこれでいいのだろう。 これが大多数の日本の観客が求めるもので、 それに的確に応えているにすぎないのだから。

小学生の頃のエピソードが比較的良くできていたように思う。 男の子の背中に乗っかって髪をクルクルする杉奈・・ 他の登場人物はすべて取っ払って、 大人になった二人のラブコメなどにしていたら意外にイケてたかもしれないな。 そもそもなぜホラーにする必要があったのか、 そこがネック^ ^


NECK [ネック] (2010日本) 公式サイト 象のロケット 
原案 舞城王太郎 監督 白川士 
相武紗季 溝端淳平 栗山千明 細川茂樹 鈴木一真 平岡祐太 
NECK[ネック] [DVD][DVD]

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11.18.2010

デンジャラスじいさん? 「RED」



ガンガンと新作を見ておりますが、 Retired Extremely Dangerous(退役した非常に危険な奴) の頭文字を取って REDと、 ふざけたタイトルながら、 これはかなり楽しめる。 ってことは自分もジジイの部類・・? ま、 とにかくお正月明けに何か1本見ようぜ、 ということならコレがお薦めかもしれない。

年金事務所の女の子に、 用もないのに何度も電話をかけナンパする元CIAのハゲおやじことブルース・ウィリス。 女の子と言っても、 メアリー=ルイーズ・パーカーもアラフォー、 いやアラフィーか。 しかしながらキュートな魅力をいつもスクリーンの片隅に覗かせてくれる。 そしてハゲおやじは、 これがまた単なるちょっかいでなく、 本気。

しかし突如 命を狙われることとなって、 巻き込まれた彼女を守るという名目の元、 アメリカの数都市を連れ回し、 かつてのCIAの強者たちが合流、 ついでに何の因果か元KGBをも仲間に加え黒幕退治に向かうのであった。 弾けたプロットはグラフィックノベルから。 ドイツ人監督は小気味良いリズムで話を進める。 ヘレン・ミレンまでがデンジャラスに暴れてくれる。 (彼女は 'クィーン' なので元MI6)

元CIAを狙うのは現CIAで、 バックには副大統領が・・ という展開になるが、 現役CIAの若造がしだいにベテランの気概にほだされていったり、 概ねハッピーエンディングが見えてきたところでディズニー映画だとわかる。 が、 手堅く楽しめること受け合い。 ターゲットは定年ベビーブーマー、 あるいは団塊の世代か。 不況ゆえに大きなパイを狙ってきた? 日本でも手堅くヒットするか、 乞うご期待^ ^



RED レッド (2010) 日本公開2011.1/29 
監督 ロベルト・シュヴェンケ  公式サイト・予告 象のロケット 
原作 ウォーレン・エリス+カリー・ハムナー (グラフィック・ノベル) 
ブルース・ウィリス メアリー=ルイーズ・パーカー 
モーガン・フリーマン ジョン・マルコビッチ ヘレン・ミレン 
カール・アーバン ブライアン・コックス 

11.17.2010

ほう? 「完全なる報復」



なんとも面白みのない邦題になっておりますが、 内容は普通に面白い。 原題は "法を守る市民"、 それは皮肉なニュアンスを含んでのこと。 いわゆる復讐劇ながら、 復讐の対象は犯人のみならず、 法そのもの、 あるいは司法取引へとスケールアップ。 タダモノでは難しいワザのオンパレードなので、 復讐鬼は実は、 CIAなどの政府関連オペレーションを立案・指揮する戦略家だったという設定になっている。

妻や娘と幸せに暮らしていた男は突如、 奈落に突き落とされる。 チャイムが鳴り、 ふとドアを開けるとバットを持った男たちが・・。 妻はレイプされたあげく殺され、 小さな娘までも。 男は生き残り犯人は逮捕されるが、 有罪を決定づける証拠に欠けるため司法取引に。 結果、 犯人の一人は死刑となるが、 主犯格は数年で釈放された。 十年の歳月が流れたある日、 復讐は実行に移される。 準備に十年を要した報復が始まったのだ。

怒りの矛先を法の矛盾に向け、 権力を相手に裏をかき、 軍用システムなどを使って派手に暴れるまではいいが、 このへんでよしとするか、 ぐらいで終わるのは物足りない。 だが、 ふとドアを開けるというのはやはり恐いなと再認識、 宅配便です、 と言われてもインターホンのカメラで確認したほうがいい。 いや変装していることも考えられるので、 荷物の送り主を確認したほうがいいか。 当てずっぽうで Amazonです、 xxショッピングです、 と言われて正解してしまうかも。 。 玄関先に、 印鑑とともにスタンガンでも用意しておくか^ ^



完全なる報復 Law Abiding Citizen (2009) 日本公開2011.1/22
監督 F・ゲイリー・グレイ  公式サイト 象のロケット 
ジェラルド・バトラー ジェイミー・フォックス 
レスリー・ビブ クリスチャン・ストールティ 
完全なる報復 DVD[DVD]
バレッツ [DVD] エクスペリメント [DVD] ザ・タウン Blu-ray & DVD〈エクステンデッド・バージョン〉ブックレット付き(初回限定生産) パラノーマル・アクティビティ2 [DVD] ツーリスト [DVD]

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歳月を飛び越えるものは? 「愛する人」



美しい人」 (2005) は長いワンカットが鮮明に記憶に残っているし、 Nine Livesという原題からかけ離れた邦題以外は印象的な作品だった。 Mother and Child というロドリゴ・ガルシア監督の新作はまたしても原題とかけ離れた、 おまけに先の出世作とお揃いの邦題となったが、 母と娘という部分にはしっかりすぎるほどフォーカスされた いいドラマ。 だが 「愛する人」 とすると軽くなった気がするのはなぜだろう。

14歳の少女が出産、 しかし生まれた娘はすぐに里子に出される。 そのシーンの直後、 いっきに37年が過ぎ去る。 少女は初老の女性となり、 老いた母と二人暮らし。 娘が気むずかしい女となったのも私のせいだ、 母はそんな言葉を残してこの世を去る。

里子の娘は女弁護士としてキャリアを誇っていたが、 17歳の頃にすでに里親を亡くし、 それからずっと一人で生きてきたと話す。 長い歳月を経て初めて母娘は出会うのだろうか・・。 一方、 子供を授からない夫婦は養子探しに奔走していたが・・。

先の出世作のような長回しに走ったりはしないが、 独特のテンションを持つ演出で描かれる母と娘の絆。 少なくはない登場人物の 誰一人として軽い役割の者がいないという点もすごいが、 なかでもアネット・ベニングの演技が光っている。 こういうドラマを '父' が見ても軽い嫉妬を覚えるだけとも言えるが^ ^ 娘を持つ母ならずとも見ごたえのある作品。 母になったばかりの人、 近々 母になる人が見たら、 一生ものの作品となるかもしれない。

ナオミ・ワッツも久々の はまり役と言えるし、 会ったことのない母子が外見だけなく、 激しい気性を秘めた感じが どことなく似ているのも、 よけいに痛々しい。 サミュエル・L・ジャクションだけはミスキャストという気もしたが、 お正月に帰省して ひさしぶりに母の顔を見た後 映画館へ、 というのもオツなものかもしれない。 乞うご期待^ ^



愛する人 Mother and Child (2009アメリカ・スペイン) 日本公開2011年1月
脚本・監督 ロドリゴ・ガルシア  公式サイト・予告 象のロケット 
ナオミ・ワッツ アネット・ベニング ケリー・ワシントン 
ジミー・スミッツ ブリタニー・ロバートソン タチアナ・アリ 
ラターニャ・リチャードソン サミュエル・L・ジャクソン 
愛する人 [DVD][DVD]

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11.16.2010

禁断のグミ Life During Wartime



忘れてたこの人、 トッド・ソロンズ。 しばらくぶりの新作はベネチアで脚本賞を受賞し、 地味ながら上々の評判。 タイトルは皮肉を交えた比喩であり、 戦争物ではない。

"自由と民主主義ではなく、 忘れることと許すことがいま必要なのだ" そのようなセリフがあったように思うが、 これは911以降のアメリカやイスラエルに対してのメッセージと受け取れる。 フロリダに住むユダヤ系の家庭が描かれ、 13歳男子が受ける Bar Mitzvahなる成人の儀など聞き慣れないものが登場するが、 それ以上に登場人物たちはツラい経験をしてきた様子。

姉の前夫であり少年の父は、 死んだとされているが実は幼児性愛の前科を持つ。 妹はレイプされた経験を持ち、 その後、 家族の反対押し切ってギャングスタと結婚。 夫は出所後、 更生を試みるがままならず。 そんなシリアスの極みのような設定にオフビートな間とおかしさを漂わせた異色作と言える。

今のアメリカでは、 自分の子供にさえスキンシップを持つのが はばかられるほど、 paraphilia(幼児性愛) に対しては潔癖主義が貫かれる。 まるで嫌煙運動のように。 だが13歳で大人の男となったはずの少年は言う。 "自由より民主主義より、 ボクはパパがほしい。 パパはちょっとパラフィリアだっただけ・・"

forget(忘れる) と forgive(許す) はよく見ると getとgiveという正反対の語尾を持ちながら、 同義語のように彼らのまわりをぐるぐる回る。 ソロンズはこれを数独のように解きながら、 忘れず許さずはまるで '戦争中の生活' のようだから、 忘れないが許す、 あるいは許さないが忘れることへ歩み出そうと説く。

妹はいまだにレイプ犯の幽霊に迫られながら、 夢遊病のように夜間営業のレストランへと歩き、 姉は再婚相手が '普通の人' だと喜ぶが、 男が少年の肩を抱いたとたん、 好意は嫌悪に変わる。

少年には大学生の兄がいて、 父のことを死んだ方がマシと言っているが、 父が好きだったグミは自分の好きなお菓子でもある。 ある日突然、 父が兄の部屋をノックする。 驚きながらも迎え入れると父は、 赤ん坊だったお前を抱きかかえた感触を今でも思い出すと話す。 遺伝ではないはずだが、 お前も愛情があふれ出しそうになったときは気をつけろ、 そう言って去ってゆく。

シャーロット・ランプリングがセックス依存症のオバサンとして顔を出すなど、 キャスティングにもかなりのこだわりが見られ、 サウンドトラックには ベックやデヴェンドラ・バンハートがクレジットされる注目作。 日本公開はかなり先になりそうだが、 乞うご期待^ ^




戦争中の生活(仮題) Life During Wartime (2009) 日本公開未定 
脚本・監督 トッド・ソロンズ 
アリソン・ジャネイ シャーリー・ヘンダーソン キアラン・ハインズ 
マイケル・ラーナー ポール・ルーベンス クリス・マークエット 
ディラン・ライリー・スナイダー シャーロット・ランプリング 

SEX BOMB オム? 「スコット・ピルグリム・・」



彼女が欲しければ、 7人の元カレを倒せ・・ そんなベタなプロットでゲームのように展開するカナダ的ユルい映画。 原作はコミックらしい。 オモロイのかな?と思って見たところ、 ま、 ティーンエージャー向けか。

カナダの寒い春、 バンド・コンテストなんかに参加するピルグリム君たち。 ワケありで NYからトロントへやって来たカラフルな髪の女の子に夢中になるピルグリム。 彼女こそは夢に見た理想の女性だと・・ かたやピルグリムに好意を抱く中国娘、 あるいは売れっ子ロックシンガーとなった元カノが入り交じり、 バトル大会へと。 あとはCGとポップな映像表現とユルいギャグ・・

東洋系がフィーチャーされるわりにアフリカ系は出て来ないのがカナダっぽいのかな、 マイケル・セラ君はアクションも得意なのかなどと思いつつボーっと見て、 DVDスルーかな・・ という結論。 乞うご期待^ ^ エントリータイトルはバンド名。

(追記) どうでもいいけど悲惨な邦題だな。 日本の洋画配給って終わってるのか。 。




スコット・ピルグリム vs. 邪悪な元カレ軍団 (2010アメリカ・イギリス・カナダ)
Scott Pilgrim vs. the World 日本公開2011.4/29 公式サイト 
監督 エドガー・ライト  象のロケット 
マイケル・セラ メアリー・エリザベス・ウィンステッド アナ・ケンドリック 
ブリー・ラーソン エレン・ウォン ネルソン・フランクリン