原作を知ってるわけでもないのに、 見始めてしばらくすると結末というか犯人?がわかってしまった。 サスペンス作品としては致命的かもしれない^ ^ 文学的な部分はどうかというと "マルチバース" という言葉が出てきたな。 "ユニバース" が唯一の宇宙なら、 何通りもの宇宙ということらしい。 共同生活を描くこととは逆説的に 'みんな' というのは虚構に過ぎず、 自分にとってのある人は、 他の人にとっては全く別の誰かである。 集まって座っていても、 こっちに向いている顔は あっちに向いている顔とは違う。 そんなテーマがあるようだ。 へ理屈のようにも聞こえるが^ ^
雨のシーンで "パレードに雨を降らせないで" という曲名が連想されたが、 そういうニュアンスを含んでのタイトリングなのだろうか。 藤原竜也 演じる直輝は共同生活者のなかでは一番年上で、 みんなから頼られる。 直輝は映画配給会社に勤めていて 「2001年宇宙の旅」 についてちらっと話したりする。 占い師によると、 彼は変化を求めて世界を相手に闘っているが、 その世界を抜け出してもまた別の世界があるだけ、 と。 ああ、 何たる閉塞感^ ^
場所は新宿界隈・・ やっぱり新宿だろうな、 渋谷ではないな。 そこには直輝の他に三人が共同生活をしているが、 個室もあって2LDKくらいか。 思いっきりプアというわけでもない。 "ここはインターネットの掲示板のような場所" と説明されるが、 ニートハウス的なものとは違って疑似家族のような感じ。 お互いを干渉しないとか明確なルールもなさそうで、 ただ なんとなく上手くいってるといった雰囲気。 ルームシェアのメリットとして家賃負担が軽くなるとか具体的なことは語られず、 けっきょく一人は寂しい的な理由っぽい。
それぞれに何かしらの問題を抱えているが深刻さはなく、 むしろ問題は、 上記の '変化を求めて' という説明に反して、 当然のことながら訪れる変化にできるだけ鈍感に対処しようとするモラトリアム的な体質ではないのだろうか。 自分的には共感もなければ、 憧れ、 あるいは否定すら生まれないので、 同作家の 「悪人」 なども未見だが、 こういうタイプの作品が比較的 好意的に受け入れられるのが今の日本だという気がして息苦しさを覚える。 悪い作品ではないが積極的に見たいとは思わない類の映画で、 いちおう見とくべきかなと思ったものの、 やはりダルい^ ^ キャストはみな いい感じで頑張ってるんだけどね。 。
(追記) 親知らずを抜くシーンがあって、 上手いシチュエーションの作り方だと思うが、 奇しくもこれを見た翌日である今日、 自分も親知らずを抜く日だった^ ^ 奇妙なシンクロはさておき、 抜いたすぐ後で 「いま親知らず抜いたばかりで痛いんすけど」 と電話しているが、 よく考えれば嘘っぽい。 自分の場合、 麻酔がよく効いているからかもしれないが、 今ようやくそれが切れかかって、 これから痛くなるのか。 歯医者からは今日は激しい運動は避けるように言われているが、 直輝はジョギングしてたな^ ^
パレード (2010日本) 公式サイト 象のロケット
監督 行定勲 原作 吉田修一
藤原竜也 香里奈 貫地谷しほり 林遣都 小出恵介 竹財輝之助
初回限定生産 [DVD] powered by G-Tools |
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