日本公開はまだスケジュールすら出てないが、 海外ではすでにDVDやブルーレイになっているコーエン兄弟の新作。 ユダヤに根ざしたエピソードや単語が多くて正直むずかしかった。 たとえば "ゲット" というのは離婚状のことらしいが、 男が "She wants get." (妻はゲットを望んでいる) というセリフを言うと相手は "wants to get~" (~を欲しがっている) と聞き間違えて "何を?" と返すギャグが何か所か。 その他13歳で成人の儀を行う少年など、 異教徒は見なくてけっこうという内容。
大学で数学を教える男は、 中国系の学生から賄賂を渡され成績の改ざんを迫られる。 家では妻が突然の離婚を申し出るし、 息子にはテレビの映りが悪いからアンテナを直してくれと言われる。 娘は鼻の整形費用をせっせと貯め、 路頭に迷った兄が家に転がり込み、 医者からはシリアスな電話がかかり、 隣の家の男とは相性が悪く、 反対の隣の家の奥さんは庭で全裸で日光浴をする。 それを屋根の上からアンテナをいじりながら見てしまう。 中国系の学生の親は裁判沙汰にすると脅し、 教授会にも圧力をかけ、 やり手の弁護士は法外な弁護料を請求し、 相談に行った教会のラビには忙しいと言われ、 息子が勝手に買い込んだであろうレコードの支払いがまだだとの電話があり、 隣の奥さんからはマリファナを薦められ、 兄は "人生はクソだ" と泣き、 ふと注意が逸れたら追突事故・・
上のポスターはアンテナを地デジ用に替えるのだろうかなどと^ ^興味をそそるし、 のっけからジェファーソン・エアプレイン
自分の感想もだいたいそんな感じだし、 好きか嫌いかで言うと元々コーエン兄弟は好みではないのだが、 それでも普通、 あるいはそれ以上に面白い作品ではある。 仮にユダヤの要素を全部取り払って、 誰もがわかる話にしてしまったらどうだったかなどと考える。 それでも十分 面白いに違いないが、 そうすると外国映画のハリウッドリメイクのように薄味なものになってしまったかもしれない。 この際、 ユダヤ研究のつもりで多少長く感じる1時間45分を耐えるのもいいかもしれない。 楽しむために耐えるという、 これまた不条理な構図を強いられるが。 。




シリアスマン A Serious Man (2009アメリカ・イギリス・フランス) 2011.2/26~
製作・脚本・監督 コーエン兄弟 公式サイト 象のロケット
マイケル・スタールバーグ リチャード・カインド アダム・アーキン
4 コメント:
こんばんは!
コーエン兄弟を理解してる訳ではありませんが、他の作り手とは確かに何かが違いますね。初期の「赤ちゃん泥棒」からファンです^^。
今回もなかなか味わいありそうで興味が沸きますが、理解できそうにない部分が多いんですね。単純に楽しめそうにないという点で「ディボーズショウ」なんて思い出したのですが、あの結婚詐欺ものはアチラの人種にしか付いていけないのでは、と悶々とした覚えがあります。ちょっと期待外れでしたが、まあコーエン兄弟への理解が足りないのだろうということで(笑;)。
またサム・ライミと組んで楽しい作品を出して欲しいですね^^。
ガツンと応援いきますよ♪凸
>umetraman さん
コメントありがとうございます!!
自分もコーエン・ブラザーズを理解していませんが 「ディボース・ショウ」 はなぜかよく覚えてるんです、なぜだろう^ ^
今では不思議な感じもしますが、初期はサム・ライミともよくいっしょに仕事してたんですよね。 三人が打ち合わせをしたりシナリオを練ってるシーンを想像すると微妙に笑えます。
まだまだ何かやれそうな三人、あまり収まってほしくないですね。
応援THANX!!
ホントウに耐えて観ました(笑)
>mig さん
ですね~^ ^
コメントありがとうございます。
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