9.30.2009

ヤクザでない東映 「ガンマー第3号 宇宙大作戦」



タランティーノが初来日の際に、 この作品のレーザーディスクに深作欣二監督のサインをねだったという、 一部では有名な作品。 60年代の特撮映画はガメラシリーズくらししか知らないが、 タランティーノも幅が広いなと思いつつ、 とくに興味はなかった。 今回、 知り合いからたまたま見せてもらったのでエントリー。 「エイリアン」 を先取りしたとか、 そんなに大げさなものではないが、 日本人が一人も出て来ないあたりは徹底している。

地球に衝突しそうな彗星を爆破するため、 人工衛星ガンマー3を基地とした作戦が展開される。 彗星の爆破には成功するが、 緑色のスライムを衣服に付着させたまま帰還、 それはガンマー3内部で増殖する。 指揮に当たる先輩司令官と後輩は、 ときとして判断が異なり、 意見がぶつかるが、 最後は厚い友情で助け合う。

特撮は今見ればショボイし、 とくに深作的な演出を感じる部分はなかったが、 意外に丁寧に作ってあるという印象を受けた。 B級カルトとして取り上げるには忍びないほど、 当時は大マジメでやってたんだろうなあと。 時間は1時間17分と短めで、 どんなエイリアンが出てくるかは見てのお楽しみ^ ^ 日米合作ということだが、 日本側はやっぱり東映なんだな。 ちなみに 「仁義なき戦い」 は今でもマイ・ベスト10に入る。



ガンマー第3号 宇宙大作戦 GAMMA3/The Green Slime (1968日本・アメリカ)
深作欣二監督 
ロバート・ホートン リチャード・ジャッケル キャシー・ホーラン 
ガンマー第3号 宇宙大作戦 [DVD][DVD]

 宇宙からのメッセージ [DVD] ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 [DVD] 【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラ(昭和29年度作品) 宇宙人東京に現わる [DVD] 大巨獣 ガッパ [DVD]

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9.28.2009

イタリア製のローファー 「フロスト×ニクソン」



こういう作品は難しいと敬遠する向きもあるだろうが、 政治的な予備知識がなくてもじゅうぶん楽しめる作品。 なぜなら男と男の、 1対1の対決が描かれているから。 もちろん双方にブレーンはいるが、 ブレーンの獲得も実力のうちなのだ。 そして対決は どちらか一方しか、 勝者にはなれない。

一方はリチャード・ニクソン元大統領。 もう一方はと言うと、 イギリス出身のトークショーTVの司会者。 なぜ、 こんな二人が対決することになったかは映画をご覧になってもらいたいが、 時は1977年、 アメリカ史上初の任期途中で退任した大統領は、 裁判を逃れ、 また国民に謝罪もしていなかった。

周到な策士として描かれるニクソンだが、 同時にストレートな人間臭さも漂わせ、 退任後も存在感たっぷり。 デビッド・フロストは笑顔が素敵なハンサム・ガイで、 イギリスやオーストラリアの人気番組を持っているが、 アメリカではさしたる成功も手にしていなかった。

あるときフロストは、 ふとニクソンへのインタビューを思いつく。 視聴率を見込めるのではないか、 またアメリカ進出の足がかりになると、 野心だけの勇み足だったかもしれない。 しかしニクソン側は、 3大ネットワークよりも多額のギャラを引き出しながら、 政界復帰のきっかけを目論んで このオファーを受ける。

思いのほか資金集めは難航し、 3大ネットワークは放送しないと言う。 トークショーの司会者ごときがニクソン? と笑われる。 それでもフロストは自費を投じ、 小さなスポンサーをかき集めて勝負に挑む。 フロストは政治には疎く、 ジャーナリストの資質はなかった。 ただテレビというメディアの特質だけは知っていた。 "すべては矮小化される。 どんな複雑な成り立ちも、 単純な一コマの絵に集約される"

フロストはブレーンになるジャーナリストを探すが、 まともに相手にしてくれたのは業界のハミ出し者。 プロデューサーはやめておけと言うが、 フロストは採用する。 "奴の情熱が気に入った 何と言われても雇う"

ニクソンは初めてフロストに会ったとき、 笑顔を振りまくだけの、 つかみどころのない男だと感じる。 そしてフロストが履いているイタリア製のローファー (昔あった甲の部分に金具のついたやつ) が気になる。 あんな靴は履いたことがないと。

いざインタビューが始まるとニクソンは想像以上に手強く、 真実あるいは謝罪を引き出すどころの騒ぎではない。 インタビュー最終日の前夜、 早めの祝杯に酔ったニクソン自身が、 ホテルにいるフロストに電話をかけてくる。 彼女からの電話だと勘違いしたフロストは "チーズバーガー" と言ってしまうが、 それはニクソンからの勝利宣言、 あるいは共感めいた告白だった。 "君もイギリスの名門大で、 見下ろされただろう。 私たちがいくら、 バカらしくなるほどの努力を重ね、 成功しても、 あいつらは見下ろす。 見返してやりたい。 だが この闘いの勝者は、 ただ一人。 敗者は荒野を彷徨うことになる"

インタビュー最終日には大きな転換が待ち受けているが、 結果的に番組は大成功を収める。 フロストはイギリスに帰る前に、 最後の挨拶をとニクソンに会う。 "私は人生の選択を誤った 君みたいに人好きのする者が大統領になれ" そう言うニクソンに フロストが渡したプレゼント、 それはイタリア製のローファーだった。

二人は正反対なのに、 どこか似ていた。 だからニクソンも フロストには気を許したのかもしれない。 フロストもニクソンを、 ただの不名誉な男だとは見ていない。 父と息子のように、 お互いを好敵手と仰ぎ、 闘いを楽しんだ。 こんな描き方ができるのもロン・ハワードならではという気がするが、 戯曲が原作。 歴史の教科書には出て来ない1ページを見た思い。 ちょっとストーリーを追いすぎてしまったかな。 でもこの程度ではネタバレにもならない、 見ごたえのある一作。 お薦め!

政治の影に女あり、 ではないが、 レベッカ・ホール扮するキャロライン・クッシングは、 物語的にはあまり意味はないがビジュアル的には大貢献。 彼女はアメリカに向かう機内でナンパされただけなのだが、 それからずっとフロストに寄り添う。 出会いこそが歴史なのだなあ。 。


フロスト×ニクソン FROST/NIXON (2008) 日本公開2009 公式サイト 
監督 ロン・ハワード 原作戯曲・脚本・製作総指揮 ピーター・モーガン 
マイケル・シーン フランク・ランジェラ ケビン・ベーコン レベッカ・ホール 
マシュー・マクファディン オリヴァー・プラット サム・ロックウェル 
フロスト×ニクソン [DVD][DVD]

 ブッシュ [DVD] ダウト ~あるカトリック学校で~ [DVD] グラン・トリノ [DVD] バーン・アフター・リーディング [DVD] ミルク [DVD]

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9.27.2009

ガイコツフェイス、現る 「マーダー・フィルム」



先月あたりからだろうか、 BloggerがIEで表示されないという噂。 普段はMacだが、 1台あるノートPCでチェックしてみた。 IE8では、 いちおう表示されるが一部のブログパーツが出ない。 知り合いに聞くとIE7や6だと全く表示されないらしい。 Bloggerというのは、 このブログを書いてるGoogleのサービスだが、 Googleが独自のブラウザーであるChromeを投入した時期と重なる気がするのは気のせいだろうか。 まさかIE排除に動いている? それは正直ありがたいことだが^ ^ 心なしかアクセス数が減っている気もする。 。 IEというのは勝手な表示をするデザイナー泣かせのブラウザーで、 IEを捨てていただけると非常にスッキリするのだが、 こう書いてもIEで読めないなら伝わらないか。

と、 テクニカルな振りで始めといて、 またしてもホラー。 日本未公開の新作が続いたかと思うと、 邦画ばかり攻めてみたり、 連日ホラーだったりと当方の分裂症ぎみの鑑賞、 せっかくIE以外のブラウザーで読んでくれてる人には、 なぜかすまないと思ってしまう。 とくにホラーの日は^ ^

しかし本日の作品は、 ただの強烈なスプラッターとかニッチなゴーストストーリーではなく、 ホラーマニアのホラー心をくすぐるオーセンティックな作品。 例によって邦題はよくないね、 ギニーピッグかっつーの。 原題は"ミッドナイト・ムービー"という可愛げのあるタイトリングで、 ホラームービーへのオマージュや愛が見え隠れする映画。

真夜中に開映するホラー映画フェスティバル、 アホな人たちが ちらほらやって来るが概ねガラ空き。 しかし掛けられるのは "The Dark Beneith" という いわく付きの、 古いモノクロ映画。 映画中の映画は 「悪魔のいけにえ」 もどきの設定で、 観客は "陳腐な設定〜" とか言って笑いながらポップコーンをほおばる。

やっぱりホラーは女の子といっしょに、 キャーキャー言ってしがみつかれながら見るのが王道だろう。 そんな鑑賞スタイルを楽しむ暇人たちは、 ふと おかしなことに気づく。 脈絡のないシーンが現れ、 いま目の前で殺されているのは、 トイレに行った友だちなのだ。 あ、 ドッキリカメラだな、 とか最初は大受けしているが、 どうやらフィルムの中の殺人鬼は現実世界へ抜け出たようだ。 「デモンズ」 のように映画館は閉ざされ、 「エルム街の悪夢」 のようなタッチで、 恐怖に落ちた者を関知して殺人鬼は現れる。 見回りの警官に気づいてもらおうとするが、 ガラス扉なのに警官には無人に見える。

劇場でバイトする娘の小学生の弟が、 一旦は帰したはすなのに、 こっそりと この真夜中のホラーフェスに紛れ込んでいたり。 そんな 「ファンタズム」 っぽい味わいも入っている。 レザーフェイスもどきの殺人者は、 皮ではなく骨のマスクを被り、 チェーンソーではなくベッドのスプリングを磨いだような武器で襲いかかる。 特定できていないオマージュはまだまだ含まれていそうだ。

夜の寂れた映画館の雰囲気、 過不足ないハラハラ感と微妙なペーソス。 取り立てて語るほどの作品ではないが、 最近、 あっち方面も こっち方面も食傷気味、 という方にはお薦め・・ かな^ ^




マーダー・フィルム MIDNIGHT MOVIE (2008) 日本未公開 
監督 ジャック・メシット 
レベッカ・ブランデス ダニエル・ボンジュール グレッグ・シラルニック 
マンデル・モーン スタン・エルズワース 
マーダー・フィルム [DVD][DVD]
stars新しいタトゥーを見せてあげる

 ストライク・バック [DVD] ヒルズ・ラン・レッド - 殺人の記録 - [DVD] ウルフクリーク 猟奇殺人谷 [DVD] テラー トレイン [DVD]

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9.26.2009

明日 世界が終わるとしても・・ 「フィッシュストーリー」



原作者の伊坂幸太郎がシステムエンジニアとして会社勤めをしていた頃、 通勤途中で斉藤和義の曲を聴いて会社を辞めようと決意した。 そんなエピソードを読んだ。 この二人のリンクで成立しているような物語か。 監督については現在浮上中の人ではあるが、 あまりいい印象がなかった。 器用な職業監督という印象だったが、 この作品に関しては意表を突かれたように面白かった。

セックスピストルズがデビューする1年前、 日本に売れないパンクバンドがあった。 理解されず、 売れず、 レコード会社から契約を打ち切られる彼らの最後の曲が "フィッシュストーリー"。 魚の話ではなく 'ほら話' という意味なのだが、 その'引用'の元となった本の逸話をはじめ、 さまざまな ほら話がリンクして、 最後には地球を救ってしまうという壮大な物語だ^ ^ 2012年の空には大きな彗星が浮かび、 あと数時間で世界は終わろうとしている。

パンクとしきりに強調するが、 サウンドはブランキーやミッシャル・ガン・エレファントなんかのほうが近い。 ファッション的にはラモーンズか。 まあ、 このあたり描き方がはむつかしいが、 とりあえずパンクということにしているのでクドカンっぽいノリにはなる。

ゴレンジャーも引用され、 正義の味方として育てられた男がけっこうカッコイイ。 天然な感じの理系の女子高生もいいし、 先ほどのパンクバンド "逆鱗" のレコードの無音部分に聞こえる女の叫び声・・ こういう話は昔よくあったが、 懐かしいと同時に意外にホラーチックなところが上手いなと思ったら、 監督は ほんとにあった!呪いのビデオ シリーズをたくさんやってるんだね^ ^

面白かっただけに あまりゴチャゴチャ語りたくはないが、 これはいいんじゃないかな。 最近 何もかも面白くない、 何か面白いDVDでもないの?という人にお薦め!


フィッシュストーリー (2009日本) 公式サイト 
監督 中村義洋 音楽pr. 斉藤和義 原作 伊坂幸太郎 
伊藤淳史 高良健吾 多部未華子 濱田岳 森山未來 大森南朋 
フィッシュストーリー [DVD][DVD]

フィッシュストーリー
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重力ピエロ 特別版 [DVD] ラッシュライフ [DVD] つばさ 完全版 DVD-BOX I インスタント沼 ミラクル・エディション [DVD] 鈍獣 プレミアム・エディション [DVD]

9.25.2009

汝 笑うなかれ 「幸せになるための10のバイブル」



こんなラブコメみたいなタイトルにしたら間違って借りる人がいるではないか。 え? それが狙い? 確かに自分もジェシカ・アルバで見たけど、 かなり'キルーイ' (キツーイ+ユルーイ) 線の おバカコメディ。 十戒をベースにした10のエピソードということだが、 まったくベースにしてない?

ギャグはあまり よくできてない。 というより壊れてる。 にもかかわらず、 ときどき大笑いできるのは自分も壊れているからか。 。 エピソードの幕間に語る人がいるが、 妻と電話で もめているところ本番になるという、 わざとらしい出だしで始まり・・ パラシュートを忘れてスカイダイビングする男。 一命は取り止めるが地面に刺さったまま動けなくなる。 これが話題になり、 そのままテレビドラマの主役に・・(第1話)

冴えない図書館員の女は夏休み、 メキシコ旅行に。 そこで出会った素敵な男は名前をジーザス・クライストと言った・・(第2話) 手術で患者の腹の中にハサミを忘れる医者。 だがそれは、あくまでジョークだと言い張る。(第3話) 白人の夫婦に双子が生まれるが、子供は黒人。 やがて真実が告白される。 あなたたちの本当のお父さんは・・(第4話)

ホームビデオのように 'ホームCTスキャン' を買う男たち(第5話) 先ほどの医者は刑務所で・・(第6話) 腹話術の人形に恋した女(第7話) ヤクの売人'ウソつきライノ'(第8話) 語り手の男は、妻と別れ 若い女とも別れ 次の女優とも別れ、妻に戻る・・(第9話) 全裸で過ごす安息日(第10話) 

どうです? 壮絶な内容でしょう? しかし皮肉で言うわけではなく、 十戒の一つ一つが、 こういうストーリーになる?という点は、 それなりに感心した。 が、 肝心のジェシカは幕間にしか出て来ない^ ^




幸せになるための10のバイブル THE TEN (2007) 日本未公開 
監督 デビッド・ウェイン 共同脚本・出演 ケン・マリーノ 
アダム・ブロディ ウィノナ・ライダー グレッチェン・モル ロブ・コードリー 
ケリー・ケニー=シルヴァー ファムケ・ヤンセン ジェシカ・アルバ 
幸せになるための10のバイブル [DVD][DVD]

 幸せのセラピー [DVD] トランスフォーマー/リベンジ スペシャル・コレクターズ・エディション  [DVD] マックス・ペイン (完全版) [DVD] アイズ [DVD] 愛の伝道師 ラブ・グル [DVD]

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